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  • 膝関節の痛みと治療法

膝関節

監修 越智光夫先生 広島大学大学院教授 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)理事長

関節鏡視下手術とは?※クリックすると詳しい説明がご覧いただけます。

  • 活動的なライフスタイルを取り戻す
  • 関節鏡視下膝関節手術の対象者
  • 膝関節のしくみと機能
  • 半月板断裂
  • 前十字靱帯損傷
  • 保存療法の選択
  • 関節鏡視下膝関節手術
  • 関節鏡視下膝関節手術=低侵襲性膝関節手術
  • リハビリ

活動的なライフスタイルを取り戻す

身体を活発に動かしていると、生活がいきいきと、張りのあるものになります。
身体に負担の少ない関節鏡視下膝関節手術によって、もう一度あなたが活発に動けるようになる可能性があります。
この手術法は、今までの膝関節手術と比べ、傷跡が小さく、術後の痛みも少なく、スポーツにより早く復帰することができるのです。

関節鏡視下膝関節手術の対象者

膝に痛みがあったり、膝が思うように動かないのであれば関節鏡視下膝関節手術によって改善するかもしれません。リハビリや保存的療法では満足な効果がなかった方の多くが、関節鏡視下膝関節手術で満足した結果を得ています。
ここでは膝関節の解剖学的構造と機能について、また半月板断裂や前十字靱帯損傷が膝に及ぼす影響について解説をしています。さらに、これらの状態の治療に用いられる関節鏡視下膝関節手術について段階を追って説明します。

膝関節のしくみと機能

膝は骨、軟骨、筋肉、腱、靱帯から構成される複雑な関節です。膝関節の動きは屈曲と伸展という曲げ伸ばしの動きとともに、内旋と外旋という下腿から足首の内・外側への回旋の動きの要素もあります。
1つの膝には、膝関節の内側にある内側半月と外側にある外側半月の2つの三日月型の半月があります。その機能は、1. 歩行時や階段を上がる時に、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間の衝撃を吸収してクッションの役割、2. 半月は膝関節の安定性を保つ役割、3. 膝関節の動きをスムースにする役割などがあります。
膝関節には主に4つの靱帯があります。膝関節のなかに前十字靱帯と後十字靱帯の2つの靱帯があります。この2つの靱帯は、膝関節の中央部で十字に交差しています。前十字靱帯と後十字靱帯はどちらも膝を主に前後に安定させる機能を持っています。前十字靱帯は脛骨の前方への動きを制限し、後十字靱帯は脛骨の後方への動きを制限しています。残りの2つの靱帯は、膝関節の内側と外側の側副靱帯です。これらの靱帯は、主に膝の左右の動きを安定化するために機能しています。

半月板断裂

もしあなたが最近膝の痛みを感じはじめたり、数ヶ月も続く痛みを感じているのであれば、半月板断裂の可能性があります。半月板断裂は、膝をひねる動作や、スポーツ活動中などでの膝を深く曲げたときなどに起こることがあります。特に加齢とともに半月板は、摩耗し断裂しやすくなる傾向にあります。半月板断裂の症状は、膝を曲げ伸ばしするときに引っかかったり、膝関節が腫れたりすることです。断裂が小さいときには、僅かに痛みがある程度で安静によって治癒することもあります。しかし、ひどくなると、膝の曲げ伸ばしができなくなることもあります。

半月板断裂では、痛みや腫れなどの症状が一時的に治っても、膝をひねるなどの動作で再発したりすることもあります。つまり、症状は、消失と再発を繰り返すことが多く、治療しないでおくと、半月板の断裂が拡大したり、関節軟骨を障害することもあります。痛みや腫れの他の症状としては、関節内でひっかかりとともに音が生じたり、正座やあぐらをするのが困難になることもあります。
半月板・関節軟骨損傷の救急治療には、アイスパックによる冷却や固定をします。この方法は、疼痛や関節の腫れを減らすことには有効です。しかし、日常生活活動に支障がでてくるようであれば、膝の機能を取り戻すため、関節鏡視下手術が必要になります。

前十字靱帯損傷

膝関節損傷では、前十字靱帯の損傷・断裂が多く、毎年世界で約30万人が前十字靱帯損傷の手術を受けています。
前十字靱帯損傷が起こると、膝の安定性が低下します。そのため、スポーツなどで方向転換するとき膝がはずれたような感じになります。このため、膝をねじる動作特にピボットターンを行うようなスポーツが不安感でできなくなります。また、前十字靱帯損傷は、関節炎や軟骨損傷を合併することがよくあります。
膝前十字靱帯損傷の症状には、以下のようなものがあります。
 - 突然の膝くずれ
 - 膝関節内の腫れ、歩行時の膝の痛み、などです。
前十字靱帯損傷は手術せずにリハビリと装具で治療することもあります。これは膝をねじる動作を行わない患者やスポーツ活動などを行わない患者に向いています。また専用の装具により前十字靱帯損傷に伴うみや不安定感を和らげることもできます。このような選択で、日常生活には、あまり支障はないのですが、スポーツなどを楽しむことは限定されます。
前十字靱帯を損傷しても、スポーツ活動を楽しみたい方には、関節鏡視下膝関節手術は最良の治療選択でしょう。

保存療法の選択

半月板断裂または前十字靱帯損傷の治療には、保存療法が選択されることもあります。

  1. ライフスタイルの変更:減量、運動の変更、悪化させる動作を避けることは更なる損傷の可能性を減らします。
  2. リハビリ:医師の指示による運動を行なう事により、必要な筋力をあげ柔軟性を得ることができます。
  3. 抗炎症剤:関節の腫れを減らし、痛みの一時的な緩解をもたらします。しかし、すべての薬剤にはリスクが伴う為、必ず薬剤師や医師と相談して使用する必要があります。
  4. 装具:膝の周りにしっかりフィットする装具は膝をサポートします。

関節鏡視下膝関節手術

保存療法がうまくいかなかった場合、あるいはスポーツ活動への復帰を希望する場合などは、関節鏡視下手術の適応となります。
これは、膝の損傷のために、あきらめていた活動的なライフスタイルを取り戻すための積極的な方法です。
関節鏡視下膝関節手術で以下のことが改善します。
 - 疼痛の軽減
 - 膝の安定性
 - 断裂および損傷の修復
 - QOLの改善
 - 日常生活活動を快適にする

関節鏡視下膝関節手術=低侵襲性膝関節手術

半月板修復

半月板断裂でも、損傷部位や損傷した半月の状態によって、修復できるか、部分的に取り除くか治療方法が異なってきます。血流の乏しい部分での断裂や、断裂した半月がバサバサになっているような場合、修復が難しいと判断されたときは、損傷した部分だけを切除する方法が行われます。もちろん、半月の機能は少し悪くなりますが、損傷した半月やはがれた半月の影響で、正常な関節軟骨を傷つけることの予防となります。
血流のある部位での半月板断裂は修復が可能です。従来の半月板修復術では、膝関節の内側から外側に向かって、あるいは外側から内側に向かって糸を通して、糸の結び目を作るため関節に切開が必要でした。最近では、関節内だけの操作で、半月板を縫合できる革新的な器具が開発され、関節を大きく切開することなく半月板修復術が可能となりました。

前十字靱帯再建

前十字靱帯再建では、断裂した靱帯の代わりに、患者自身の身体から採取した移植腱を主に使用します。移植腱を適切な部位に固定するかが重要で、できるだけ元の靭帯と同じ解剖学的部位に設置して、同じような靭帯になるよう再建術を行います。近年の研究では、より正常前十字靭帯に類似した靭帯を作れるようになってきています。

リハビリ

半月板修復や前十字靭帯再建術後のリハビリの内容をどの様に行うのが最適であるかは、それぞれの手術方法や患者自身の膝関節の状態によって大きく異なります。
あなたのリハビリにどのような方法がよいかを知るには、整形外科の専門医にお問い合わせください。

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